2006年 01月 04日
「見える化」
c0067646_23102266.jpg写真は旧江ノ島灯台のコア(ライト)部分です。
昭和28年に、大小さまざまな岩礁が点在する相模湾における
夜間の安全航行を目的に設置されました。その光達距離は46kmに及び、平成14年までの長きに渡り、その働きを全うしました。

灯台が「見える」おかげで、船はどこに「危険」があるかを知ることができ、
岩礁を回避し、安全な航行が続けられたのです。

先日、一緒に仕事をしている先輩のお誘いで、遠藤功氏(ローランドベルガー取締役会長)の
「見える化・現場力」というセミナーで勉強する機会がありました。





要約すると、「見える化」とは、企業活動の様々な問題を「見える」ようにする試みのことです。
「情報共有」ではなく、「共通認識」を持つことができるようにすること。
ITの発展により、様々な情報の共有が便利になりましたが、間違いやすいのは、「情報共有」
は「手段」であり、目的は「共通認識」であることです。

実は、このセミナーの内容を知ったとき、「是非このセミナーを聞きたい」と思った根拠が
僕にはありました。

相模川、猿ヶ島河川敷。環境応援団いっぽが応援する「新しい遊び場」の実現に向けて、
目下取り組んでいる場所です。2001年からゴミを拾い始め、2004年から「利用者」との交わりを持ち、
「利用者連絡会」を設立。200名を超える人達との一斉清掃や、月に一度の定期清掃活動もはじまるなど、
現在進行形で取り組んでいるプロジェクトです。

当初、河川敷入口には「何トン」ものゴミが点在し、河川敷は”不法投棄のメッカ”のような状況でした。
利用者も、それが「あたりまえ」になっており、「ゴミがあるのはいやだ」と思いつつも、「解決すべき問題」
という意識はなかったと思います(もちろん、意識のある人もいたと思いますが、解決できるとは思っていな
かったようです)。

それが、「ゴミ拾い活動の普及」や「河川敷入口での地道な声かけ」や「ビラ配り」、利用者連絡会での
定期的な「課題解決会議」を通じて、みんなの「意識」が変わっていきました。

「ごみの存在」は明らかに「遊び場を脅かすもの」となり、「利用者であるわたしたち」は「その問題を解決できる」
と考えるようになりました。つまり、「問題」が見えるようになり、「ごみをなくそう」という共通認識が出てきたのです。

「ゴミがあること(=情報共有)」は、利用者なら誰でも承知していたこと。
ところが、そのゴミを「問題」として捉え、解決しようという「共通認識」が芽生え、育っていったことを、
僕自身も皆さんと一緒に体験させていただいているのです!

そして、「猿ヶ島」は、実際に自分達で河川敷のゴミの多くをなくすことに成功しました。

今では河川敷入口200mまでに集中していた「不法投棄ゴミ」や「生活一般ゴミ」はほとんどなくなり、
河川敷の奥にいって、目立たない草むらの影などの一部に「ごみ」があるだけになりました。

昨年秋から、こんなメールを頂きます。

「入口は綺麗になりましたが、おくにはまだ残されたゴミがあり、一斉清掃などを実施して、またみんなで
粗大ゴミを取り除きたい。トラックや4WDの仲間の力をあわせれば、すぐ綺麗になりますよ!」
「看板や、呼びかけなど、もっと伝えていける工夫をしていきましょう」
「それぞれの遊び場は綺麗になったが、その間に、まだゴミがあるから・・・」
「自分達でごみ拾いを主催したいのですが、ごみ収集の方法を教えてください」 などなど・・・

相模川河川敷での活動は、活動そのものを通じて「見える人」が育ってきました。
これは、環境応援団いっぽの目標である「意識を変えよう」、が上手くいった嬉しい事例です。
短期的にゴミを減らすのは簡単。でも当事者意識があり、主体的・自発的で、継続可能な
対策とするためには、人の意識が変わるのが一番だと思います。人の心に、深く伝わる活動をこれからも
目指していきたいと改めてその思いを強くしました。

「見える化」の遠藤氏は、06年1月17日号の日経アソシエで、こう言っています。
『一部の人間が「見える化」を実行していても、本気で見ていない人がいたら意味がないでしょう。
「見える化」の実現には、「見せよう」「見よう」という意思を持った人づくりが不可欠なのです』

色々現場で工夫して、信じて継続してきたことが「見える化」という技術として説明されることで、
僕自身があらためて納得することができました。

皆さんの周りでは、情報共有で終わっていることありませんか?
「共通認識」を導くための工夫や、仕組が必要なことが、意外と多いかもしれませんね!

せっかく相模川のみなさんと一緒に、このことを体験して学ばせていただいたのですから、
まず、自分から積極的に実践していきたいと思います。

こんな長いブログを書いて、あらためて「見にくい・・・」と自分に言いたい。
でも、記録としてweblog!^^

by nao
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by ippo2010 | 2006-01-04 23:16 | ■楽しむために必要なこと


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