とても嬉しいことがある。
それは、子供たちが通園する道に、田んぼのあぜ道があること。
ほんのわずかな距離なんだけど、子供たちが好んでこの道を
歩いている姿が僕にはとても嬉しい。
僕がそうだったし、田んぼの匂いやあぜ道にさく花の群生を見て
「春の訪れ」を知ったことを今でも覚えているから。
「オオイヌノフグリ」って名前ね、「大きい犬のタマ」って意味なんだよって教えてくれた
父の笑顔を思い出す。「小さな花なのにね!」って笑いながら返す僕。
僕は小さい頃、田んぼと山と野原で暗くなるまで
毎日遊ぶ子供だった。自然で遊ぶ中で、さりげなく教えてもらったことは
今でもしっかり残ってる。たとえそれが「タマ」でも。
ザリガニをはじめ、カメやミズカマキリなどを見なくなった最近の田んぼだけど、
子供たちがそのあぜ道を追いかけっこしながら通園する姿をとても
嬉しい気持ちで見ている。
僕も、いま父に教わったことと同じことを、子供たちに伝えている。
思いっきり笑いながら。
残したいですね、こういう道を。
by あぜ道のある風景保存 nao